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【害鳥】お引越し作戦を遂行せよ!ー古民家あるある事件簿

関東圏、東京駅から電車で1時間の都市近郊。

築50年の木造家屋に住んでいます。

 

庭付き古民家を素敵に(という風に勝手に受け取られることあり・・・)改造して住むなんて羨ましい~と言われることがありますが、安さ・広さ・古い家ならではのおもむき、等のメリットだけでなく、もちろんデメリットもしっかり存在します。

そんな昭和の古民家ぐらしについて楽しく語っていきます。

それは、のどかな鳥の姿を目撃した時にはじまった

昨年度は必死にボランティア仕事をこなしておりました(この時期ですね)



というわけで、それ以外の全てを停止していたわけですが
ようやく解放された今年度の夢のひとつが「眺めて楽しむことができるように庭を整えていく」

 

SFに「成長促進」を持つワタクシ、庭仕事をしていると時間が経つのがあっという間で、草取りですら癒しのひとつなのですが、今年度は計画的にドクダミを刈ったり、雑草を抜いたりを今までになくきちんと実行しております。

 

 

雑草は刈り取ったり抜いたりすることそのものだけでなく、その後に出る膨大な雑草の処理が結構大変。そこでワタクシはこの雑草のカサを減らすため、一時的に庭の一角に積み上げて半乾燥させて堆肥化するなり、捨てるなりする、という方法をとっています。

 

そんな庭仕事が梅雨で中断する前の6月ある日。「一部でも整えようとしている庭は良い・・・」とひとり悦に入って庭を眺めていたワタクシの目の前にくちばしの黄色い鳥がパタパタと降り立ちました。

 

 

このくちばしの黄色い鳥、庭の隅に積んであった雑草の山から細長い草をひっぱり出して咥えると、また翼を羽ばたかせて飛び立っていきます。

 

 

「ああ、巣を作る材料を集めているんだな」と教育テレビの理科番組を見るような、そして自然と共に暮らしているかのようなあたたかな心持ちで鳥の羽ばたいていく先を目で追っていくと、あれ・・・?

 

オイオイオイ、飛んでいく先うちじゃねぇかコレ?もしかして君、うちのどこかに巣をかけているのぉおお?

 

 

テレビでもその被害が話題になるアイツ

何度も話題になるアイツ

 

慌てて2階に上がり、久しぶりにベランダに出て「のき」を見上げてみると・・・なんと恐ろしいことにガッツリ穴が空いているではありませんか!

え?こんな穴、自然に開く~?もしかしなくても、木材が劣化した場所を狙われてこじ開けられた?

 

 

呆然とするワタクシの頭上の穴から慌てたように出ていく嘴が黄色い鳥。目にしたものが信じられず上を見たり下を見たりする私の視線に入る、大量の鳥フン。

 

 

やられた。テレビでもよく「都市の鳥害」が話題になるムクドリに軒を破られ、巣をかけられていました・・・

 

 

家の軒先に鳥が巣をかけて住み着く。なんてファンタジーな世界なんでしょう。

自然と人が共生する優しい世界線、鳥も家畜も同じ屋根の下に住む、かつてどこかの児童文学で見たような剣と魔法と冒険の異世界・・・そこら界隈はしっかりと通過してきた元文学少女なワタクシですが、世間の荒波を超えて順調にババアとなった今、現実から目を背けることができません・・・!

 

 

屋根の先から家が傷み、大金払って屋根材取り替えとか、野鳥生息で付随してダニ・ノミが大増殖してしまう、なんて事態は何としても避けたい・・・この家にあと20年は住む予定なのよ・・・

 

思えば1階の和室にいる時「鳥が屋根の上を歩いている音がめっちゃする」と子どもが気にしていたのは、ムクドリが現場をリサーチし、色々と準備をしている期間だったのか。

 

『まさか2階の屋根の上を鳥が歩く音がこんなに響くはずがない』→『これは1階の張り出しの上をカラスが歩いている足音だろう』→『直接被害なければ見逃しますよ、私は広い心の持ち主ですからね」という自己過大評価三段論法(?)と正常性バイアスのハイブリッドよって認識が完璧に歪んでいましたね。

 

 

思いっきり直接被害やん。いかな2階の屋根の問題でも1階まで音がバリバリ響いているやん。昭和の木造建築・・・過大評価しちゃいかん。

 

鳥害対策PDCA ひとりでできないもん

軒が破られているのはベランダから見えるけれど、実際の屋根下がいったいどうなっているのか?まずは現状確認が必要です。

 

 

こういった家屋補修、家のDIYに関しては、私が分担していますが、今回に関してはどうしても1人でできない。

 

 

なぜならハシゴをかけてチェックするにも、1階の屋根上のフンだまりを掃除するにも落下の危険性があり、別の人間にハシゴを押さえて補助してもらうとか、命綱を握ってもらうとか、万が一落下した時に救急車を呼んでもらうとか、とにかく人間が二人必要になります。

そこで、単身赴任の夫が帰宅するのを見計らって、まずは様子を見てみることに。

 

 

ハシゴを登ったとしても私のリーチでは軒下の穴まで手が届かないので、夫にお願いしました。

 

「うわ、なんか巣があるよ!」

 

こんなにはっきりと鳥の巣を見たのははじめてだ

 

業者を呼ぶ前にまず役場(もしくは市役所)

ここで皆様にお伝えしたい大切なことは、焦って「トラブル110番」的なサイトを検索して電話をしてはならない、ということです。

 

 

ワタクシ、隣の老人家庭や、または私が不在の時に夫が、「相談するつもりで電話したのに、突然駆除道具一式を持った業者が現れて、『え?処置するつもりで来たのですが』『遠くから来たので、このまま帰ったら赤字です』なんて言われて、悪い人じゃなさそうだし、まあいっか・・・と考え、クマンバチやシロアリの高額な処理費用を支払ってしまったという事例を知っています。

 

 

もちろん良心的な業者さんもいるとは思いますが、お客に考える時間を与えずプレッシャーをかけるのは、まっとうな商売だとは思えません。

 

 

じゃあどうすればいいの?と思ったアナタ。

ほら、あるじゃないですか、こういった公衆衛生や害獣についてたくさんの情報を持っているチームが。公のお金で仕事をしているあそこです、役場とか市役所ですよ。

わが町では『産業環境部 環境課』がこの仕事にあたっています。

 

 

いざ、問い合わせ!

 

 

はたして役場の回答は

日中、夫が電話で問い合わせたところ、以下のような返事が。

 

 

「役場が鳥の駆除や巣の撤去をすることはしません」

ムクドリは法律上、勝手に駆除をしてはならないことになっています」

「もしお困りでしたら、駆除業者を紹介することができます」

「業者以外が生きている野鳥を捕獲したり殺処理したりすることはできませんが、鳥が去った後の巣は皆さん各自で撤去されているようです」

 

 

環境課さん、丁寧に対応していただき、ありがとうございました。

さすがに役場職員の方々が作業着を着て到着してくれるようなのどかな時代ではない、ということですが、要するに、『捕らえたり殺したりするのはダメだけれど、去っていただくのは問題ない』ということであると解釈。

 

 

ちなみにムクドリは一定条件下での例外を除いて捕獲(卵を含む)殺傷、採取、損傷させることを法律で禁じられています。

 

超獣保護法関連についてはは以下をご覧ください。

www.env.go.jp

 

鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等の規制(第八条―第十八条)
(↑固い文章です)

 

とはいえ、ですよ。
ムクドリ被害が死活問題につながる果樹農家さんほどで無いにしろ、巣がかけられることでダニとノミが大量発生し、家内に移動してくることは、ほぼ1年中、何かの虫に刺され続けている私にとっては大問題です・・・。

 

 

893作戦開始、その顛末は

 

YouTubeで調べたところによると、ムクドリは拍子木を叩く時に出る、あの高音が嫌いなのだそうです。

 

 

そこで、まずはうるさい音と人間の存在でプレッシャーをかけ、ムクドリさんたちには自ら転居していただく、という反社会的団体がよくとる手法でもって対処することにしました。

拍子木なんてうちにはありませんのが、屋根をガンガン叩くことで相当な嫌がらせにはなるはず。

 

 

鳥の巣は人間にとっては雑菌の温床のような場所らしいので、夫に水仕事用のゴム手袋をしてもらい、(メガネかけなのでゴーグルは省略)いざ嫌がらせ攻撃を開始。

ところが・・・

 

夫「鳥がいる様子がない」

私「えっ」

 

気負ってベランダに出動しましたが、何故か鳥の気配がないようです。

 

私「どうしてだろう。ここは安住の地ではないと判断してマチュピチュの民のように土地を捨てていったのだろうか。この場所に何か問題があったのだろうか。蛇が出るとかハクビシンが卵を獲りに来るとか(それはそれで問題・・・!)」

 

夫「できる限り取り除いた方がいいよね、巣を壊したら『ここはダメだ』と思うかもしれないし」

私「お願いいたします!」



ピンクのゴム手袋をつけた夫が鳥不在の巣に手を突っ込むと、出てくる出てくる営巣材料の数々・・・

綺麗に乾いて、やわらかい細い草や葉が折り重なるそれは昔テレビで見た「ハイジの藁のベッド」そのもの。

 

私「めっちゃ気持ち良さそうやん」

 

綺麗に乾いた柔らかい草が大量に出てくる(この3倍以上の量)



 

夫「奥の方は無理だけど、取れるかぎりのワラはとった。これ、穴を塞いだ方が良くない?」

私「丁度いいサイズの板が無いな」

夫「板じゃなくてもプラスチックでも何でもいい」

 

 

そう言った夫がゴミ箱から拾ったのは私が東急ハンズで購入したとある商品の箱。

私「え、これ????」

夫「とにかく梅雨の雨が入り込んで軒が傷まなければいい。一時しのぎだから」

 

もうちょっとしっかりした板を買ってきて塞がなくていいのか、さすがに見た目が問題なのでは?と思いましたがこんな場所をマジマジと見るのはカラスかスパイ衛星しかない・・・確かに誰も見ない。見えない。

 

さあ、金槌と釘の登場する領域になりましたので夫からワタクシに交代しまして、一時的に穴を塞ぎます。その結果がこちら

挟んでほぐし攻め すご押しダブル 遠赤外線発生鉱石配合

 

 

私「こんなんでいいのだろうか・・・」

夫「次に台風が来てふっとんだら、保険で修理すればよい」

 

かくして、我が家の2階の南西の軒先には『すご押しダブル』が鳥たちに向かって睨みをきかせる(?)ことと相成りました。

 

 

今回のポイント

 

  • 古民家に住んでいても軒下が傷んでいることには気づきにくい
  • 市街地の古民家でも動物に入り込まれる危険性がある
  • 動物のトラブルの時にはネット広告の業者にすぐ電話せず、役場に聞くべし。業者も役場に紹介してもらうべし(ほぼ適正価格でしょう)
  • 資格がない一般人は野生動物を殺傷してはならないので、自ら転居していただくよう仕向ける
  • 鳥の巣はとても気持ち良さそうだった(ダニ・ノミは大量にいるけど)

 

 

いかがでしたか。今回の記事が海や山に近い環境に憧れる皆さんの参考になれば幸いです。それでは、また!

 

こんな商品があるんだね

 

アマゾンを彷徨っていたらヒットした
ちょっと切り口が面白すぎるんですけど これ私のための物語ですか?プライムで見てみよう